コンクリートへの含浸ライニングについて、多目的プライマー防食ライニング

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コンクリート槽ライニング工事

< 多目的プライマー防蝕ライニング >

1・はじめに

接着剤膜の材質が使用環境でどの位劣化するか。腐食性物質の透過をどこまで遮断できるか。 接着状態の維持がどの位できるか修理は可能か。 また、どのレベルまで必要か使用には検討が必要です。 コンクリートに対しては簡易な防蝕方法としてタールエポキシやエポキシ溶剤型塗料を 使用した塗装があり本格的な防蝕方法として、無溶剤樹脂を使用したFRPライニング、 レンジモルタルライニング、フレークライニング、またゴムライニング等もあります。 例えば簡易法の場合。 不均一な表面の為無数のピンホールやミクロな塗り残し等の塗膜欠陥を発生させる為、酸などの耐蝕性の液体ガスが入る場合、 下地の保護が出来ません。
一方、膜厚を持つ本格的なライニングの場合は、工法上ジャンカ等も全部防蝕材で塗り込んでしまうので簡易方法のように欠陥は生じませんが、その頑丈さゆえにコンクリート 表面が支えきれなくなって剥がれが発生します。 本格的な方法のトラブルで剥がれが多いのは、この為です。
接着は安定性が大切です。 塗料と下地の相互作用で生じ使用中は色々な要因で劣化していきます。 どれだけ長く持つかは塗膜を支えるのに必要な最小限の接着力をどれだけ長く保てるかで、接着力の大小とは直接の関係はありません。

2・多目的プライマーについて

2−1 必要性

腐食性物質の透過性が緩やかな場合は、単純なプライマーの塗り重ねで重防蝕 ライニンング同等以上に長期的に安定して防蝕できる方法はないものか。
この場合、施工性・補修性・即効性が必要です。

2−2 原理

水と反応して強靭な耐蝕性ポリウレタン樹脂になる物質を溶剤に溶かしサラサラの状態に低粘度化したものです。
コンクリートに塗布すると細孔に浸透して重合し、浸透部にポリウレタンと素材が一体化した複合層を形成します。
この時、重合に必要な水はコンクリートや空気中から自然に供給されます。

2−3 使用対象

●コンクリート ●木材 ●鉄 ●壁 ●布 ●皮革 ●スレート ●紙  等

2−4 特徴

●ウレタンとしては最高レベルの耐蝕性。
●微細な穴を持つ材料なら何にでも容易に浸み込んで一体となって硬化する。
●低温でも高温でもすばやく乾燥する。
●色々なものに良く接着する。
●使用方法が極限までシンプル。
●用途が広い。
このプライマーを表層に何回も重ね塗りする度にその回数に応じた厚さのポリウレタン層が形成される。
それら全体が一体化して強靭な防蝕層・防水層・防塵層・防汚層として機能します。
この膜は(塗料のレべリング性の良さ)でピンホール等の塗膜欠陥を抑え(浸透型接着剤)接着が安定している為、従来の普通の塗装より耐久性があります。
一液性なので、配合ミスによる硬化不良や硬化のバラツキも起こしません。

2−5 重ね塗り

溶剤の蒸発と樹脂の硬化が早いので、通常の塗料では考えられない短い間隔で重ね塗り
が出来ます。(最短20分程度)。
そして施工後の2時間程度で硬化養生が完了します。
単純に重ね塗りするだけで下地と一体化した、欠陥のない好みの厚さの防蝕層を早く作れます。
但し、1日以内に仕上てしまうのが基本。
長く間隔をあけ過ぎないように注意する。

2−6 効果

その塗膜は膜欠陥が出難いゆえに防蝕性能(環境遮断性能)を発揮するだけでなく、浸透して接着して膜が過度に厚くなく、 適度な柔軟性があるので接着力の自然劣化を起こしにくいので、耐久性がよいです。
その為、軽度や中程度の腐蝕環境なら従来の簡易方法はもとより、本格的な方法より長い耐用年数があります。
適用対象としては、
●飲料水 ●海水 ●雑排水 ●汚水  等の貯槽
●一般工場や化学工場の床柱、コンクリート架台、軽車輌通路
適用不可としては、高濃度の強酸(断続的にこぼれる程度の床や測溝なら、濃塩酸でも可能です)ですが、 施工2時間後には歩行も可能となります。
耐紫外線用プライマーの場合は、硬化速度が多目的プライマーより遅くなります。

 2−7 施工後

●表面がツルツルになり水を全く吸いません。
●汚れや洗剤に冒されないのでボロボロになりにくい。
●埃が付きにくい。 
●砂を撤けば1時間程度でノンスリップ加工が簡単に出来ます。

2−8 多目的プライマー成分

(溶剤):酢酸エチル 65%
(樹脂):ウレタンプレポリマー 35%
比重 0.93
粘度(25度 10cps
沸点 77度
引火点 7.2度
発火点 425度
爆発範囲 2.18〜11.40vol%
引火性あり。

このプライマーが周辺に付着した場合はシンナー等では拭いてもおちません。
また、酢酸メチルはとても燃えやすいので、火気には十分注意する必要があります。
また、密閉した空間では十分換気をした上でエアーラインマスクを使用し、酸素欠乏や溶剤中毒にならないよう作業する必要があります。

3.耐紫外線プライマーについて

3−1 必要性

上記の多目的プライマーは耐蝕性・耐摩耗性・速硬化性・浸透性・水蜜性・接着性が、優れています。
しかし、色調が薄い茶褐色な為見栄が悪いといえます。
また、紫外線に弱い為、日光の直射を受ける所への施工にはむきませんでした。
耐蝕性と硬化速度性能を少し落し、無色透明にし耐紫外線良い樹脂としてのプライマーが必要となります。

3−2 使用対象

屋内屋外問わず使用できます。
●他目的プライマーと同じ
●あらゆるコンクリート構造物の外面
●ステンレス
特に汚れを嫌う箇所で直射日光を受ける箇所に適しています。

3−3 注記

プライマーも2回、4回と繰り返し塗布します。塗布間隔は10分から1時間で実施します。
表面に艶が出てくるまで重ね塗りを実施しますがこだわる必要はありません。
硬化が速いのでハケやローラー塗りとなります。
下地の含水量が多い場合は、気泡が塗膜に発生する場合があります。
性能的に、影響はありませんが、ペーパー掛けしてからもう一度塗ると平滑に仕上がります。

第1表 多目的プライマーと耐紫外線プライマーの比較
多目的プライマー 耐紫外線プライマー
色 調 褐色透明 無色透明
粘 度 サラサラ サラサラ
耐蝕性
耐侯性
硬化速度 指接触30分完全硬化2時間 指接触完全硬化24時間

4.その他のプライマー

4−1 ステンレス用接着プライマー

ステンレス製タンクの場合。ピンホール等が発生して、使用できなくなります。
内面を防蝕ライニングする時に、通常の樹脂ではステンレスへの安定した接着性能が出ません。
そこで、ステンレス用接着プライマーを塗布した後、通常の上塗り塗料を塗り 
重ねる事が必要となります。

 4−1−1 ステンレス用接着プライマーについて

無色透明の一液性の溶剤タイプの
プライマーで膜厚は薄く肉眼では確認しにくいです。使用対象はステンレス・硝子・陶磁器・石材・アルミ・鉄 等です。
容器から出してそのまま薄く塗布して15分程養生してから
上塗りを実施する。
湿気があると白濁してしまうので、十分乾燥して施工する必要があります。
溶剤を含有していますので、十分換気して、作業を実施、火気は厳禁です。
上塗り塗料は
エポキシ・ウレタン・アクリル・ビニール・塩化ゴム・フッ素樹脂塗料・シリコン等です。

4−2 防錆粘着剤

2液性の樹脂を混合すると粘着性の強いゴム状高粘度物になります。
今までのシール材は最終的に固まって母材に接着することで、水の浸入を阻止するのが従来工法の考え方です。
固まらないで粘着性能があるのが、この防錆粘着材です。

4−2−1 耐蝕性

酸・アルカリ・塩類・水に安定で電気の絶縁体但し、耐油性はありません。

4−2−2 特徴

●粘弾性材質で硬化はしない。
●下地上面の水を押しのけて素地に密着する。
●混合後の低粘度期間は細部への注入は容易ですが高粘度になると浸透性はない。
●殆どあらゆる物に対して水中でも空気中でも変わらぬ粘着性がある。
●流動体なので下地にゆっくりとした形状変化があっても無期限に追随します。
●軟質のゴム状なので防振ゴムと同様に振動を吸収します。

4−2−3 用途例

あらゆる材質の隙間や継目の粘着シール・水中構造物のシーリング・コンクリート構造物のクラック等修理・防錆パテとしての利用

4−2−4 付着性

●金属●硝子●コンクリート●木材●塩ビ●ポリエチレン●ゴム●スチロール等
に空気中でも水中でも粘着し、その状態は長期間続きます。
鋼材の場合付着した部分は腐蝕抑制作用が働きます。

5・おわりに

腐蝕が構造物全体の寿命を左右しますし、現地において修理が容易で寿命が長く、 保全コストが低い方法が必要とされています。
グレードの高い防蝕ライニングを実施する為に、下地処理の精度を上げ、 接着力が低下しないよう前もって、十分な設計が必要となります。
全てが高価で施工管理が大変になる方向へと進んでいきます。
重要なのは必要な接着力を一定レベル以下に低下させない事と考えます。
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